総長様は恋の反抗期真っただ中

 決心した矢先、年越しパーティーが行われた。

 そう、大晦日(おおみそか)だった昨晩のこと。



 我が家に朝都のご両親が来てくれた。

 チャンスは今しかない。

 焦った私は、お互いの両親に朝都との婚約破棄をお願いしたんだ。



 拍子抜けしちゃった。

 絶対にダメって言われると思ったのに、すんなりOK。

 大人4人がにんまり笑って「いいよ」だって。



 朝都は小さいころからずっと「椿なんかと結婚したくない」って家でも吠えまくってきたらしく。

 会社のために好きでもない子と結婚させていいものかと、朝都のご両親もずっと悩み続けてきたんだとか。



 その後お酒が進むにつれ、私を溺愛している朝都のご両親が「椿ちゃんを義理の娘にするのが夢だったのに」って泣き出して。



 ろれつが回らないくらいベロベロニに酔った私のお父さんも

 「椿は嫁にやらない。俺の会社を継いでもらうんだ。純はデザイナーの道に進ませてあげたい。もう椿しか頼れる人がいないんだ」と、私にしがみついて。



 大の大人4人が、泣くはわめくはの大騒ぎ。

 お酒って怖いんだね。

 たらふく飲むと、こんなに人格が崩れちゃうんだ。


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