総長様は恋の反抗期真っただ中

 野いちご学園高等部

 2024年元旦 生徒会企画



 【校舎の屋上で初日の出を拝もう!】



 まだ朝日は顔を出してはいないが、うっすら茜色に色づいてきた屋上。

 集まったのはコートや手袋で防寒対策をした、100人以上の生徒たち。



 フェンスに背中をあずけ嬉しそうに笑みをこぼす椿は、真っ白なダッフルコートを羽織っていて

 フードに白いファーが付いているせいなのか? 

 天使に見間違えてしまいそうなほどの、大人キュートさを放っている。



 隣に立つ俺が椿をガン見できないのは、俺の中に恋に不器用な天邪鬼が住み着いているせいなんだろうな。

 ほんと厄介者で困るわ。



 「朝都、たくさんの生徒が屋上に集まってくれてよかったね」



 真横で俺にニコっと微笑むな。

 暴れ出した心臓の爆音が椿に聞こえていないか、心配になるっつーの。

 ここは仁王立ちで、ワイルドボイスを放っておかないと。


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