総長様は恋の反抗期真っただ中



 「つばき、教えて」



 後ろから私を抱きしめる朝都の、甘い声。



 ワイルドボイスに優しさが溶け込むと、どうやらハチミツみたいにとろとろなハニーボイスが出来あがるらしい。



 ……なんて、イケボの化学反応を発見して頷いている場合じゃなかった。

 返事をしなきゃ。



 「なっ、何を知りたいの?」



 ちゃんと答えたら、ドキドキの時限爆弾をちゃんと解除してね。



 「椿が初日の出に願ったこと」


 「……えっ? 私の?」


 「何? 俺に言えないわけ?」


 「そっ、そうじゃないけど……」



 今思えば、とんでもないことを願っちゃったわけで……



 「教えて、頼むから」


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