総長様は恋の反抗期真っただ中



 でも私はダメダメ人間だったよ。



 朝都と別の女の子との幸せを願った直後に

 『本当は私が、朝都の隣を独占したかったな……』

 って、心臓が締めつけられて泣きそうになっちゃったから。






 私をバックハグしたままの朝都が、何も話さなくなった。

 私の背後にいるから、彼の表情を確認することもできない。



 朝都は今、何を思っているのかな?

 私のこと、嫌いになっちゃったのかな?



 二人を包み込む毛布を、鼻までひっぱりあげてはみた。

 体はヌクヌクなのに、募る不安のせいで心臓が冷えていくのがわかる。



 ちゃんと弁解をしなきゃ。

 でもなんて言えばいいの? 

 えっと、あっと……



 「あのね、朝都……」


 「わるい」



  えっ? 謝られた?

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