総長様は恋の反抗期真っただ中


 「俺が自分の想いを椿に伝えてこなかったから、勘違いをさせちゃったんだよな?」



 違うの!

 朝都のせいじゃないの!



 「私が勝手に噂を信じちゃったのが、いけなくて……」



 朝都の口から、他の子を愛しているなんて聞きたくなくて。

 傷つくのが怖くて。

 ちゃんと確かめなかった、私のせいだから。



 「椿との婚約が解消されて、やっと気づいたんだ」


 「?」


 「いつまでも恋の反抗期を突っ走ってたら、ガキのころから大事にしてきた宝物を失うことになるって」


 「大事な宝物って……」



 「もちろん、椿のことだよ」




 ……っ。



 嬉しいよ。

 幸せだよ。

 涙がこぼれちゃうくらい、とってもとっても。

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