総長様は恋の反抗期真っただ中


 椿を見つめ、優しく微笑んで

 『大学受験の勉強で毎日寝不足なんだろ? 生徒会の雑用はすべて俺がやるから、椿は自分の体をいたわれよ』

 そう言って椿の頭を撫でてあげていたら、俺たちはもっと恋人っぽい関係になれていたのだろうか?



 ……って。

 ガキの頃からそれができないからこそ、俺の初恋がこんなにこじれているんだけど。




 「ねぇ朝都、集まってくれた人たちを見るとカップルが多い気がしない?」



 確かに、友達同士で来ている奴らもたくさんいるが……

 『寒いね』

 『俺にくっついてな。温めてあげるから』

 薄暗い真冬の屋上を、デートスポットと勘違いしてる奴らも多いような……



 「あいつら、1枚の毛布にくるまってひっつきたいだけだろ? いちゃつくのは俺の視界に入らないところでやれ!」


 「いいじゃん、いいじゃん。楽しんでくれているんだし」


 「迷惑だ」
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