処刑後転生した悪女は、狼男と山奥でスローライフを満喫するようです。〜皇帝陛下、今更愛に気づいてももう遅い〜
皇帝&レジスタンスSIDE②
ナターシャ達がナジャの別荘に向かう時。ザナドゥの町では何が起こっていたのか振り返る。
「っし、ナターシャ達迎えに行くかぁ!」
早朝の漁を終えたケインは、リークの家に向かって歩いていた。理由は漁に誘う為だ。
藪を掻き分け、木々の茂った道を歩く。
「…」
しかし、そこにあるはずのものは忽然と姿を消していた。
「おかしいな、家この辺だったよな」
ケインは頭を傾げながら、辺りを探すもリークの家やメイルとマッシュ夫妻の家は見当たらない。
しかし、あるものは見つかった。
「!」
土の道に落ちていたのは、血痕。実はこれ、メイルが水鏡で転移する際に残したダミーの血痕である。
「ナターシャらは魔獣に襲われ、命を落とした」と見せかける為のダミーだ。ちなみに魔獣は、ウサギのような魔力を使える獣全てを指す。
「大変だあ…!」
見事にダミーの血痕に引っかかったケインは、すぐさま町長…レジスタンスのリーダーにこの事を報告した。
レジスタンスのリーダーは、残念そうな表情を見せる。勿論彼もまた、ダミーの血痕である事には気づいてもいない。
「不幸な事だ…」
「ああ…嘘だと言ってほしいぜ…」
ケインはいつの間にか、涙を流していた。彼の頭の中では可憐に笑うナターシャの顔が浮かんでいる。
「だが、この辺に魔獣はいたか?」
「いいや…鹿や小動物くらいならたまに見かけるが…」
「そうだよなケイン。魔獣はおろか熊や虎も滅多に見ないはずなんだが…」
ここで、レジスタンスのリーダーはある仮説にたどり着いた。それは皇帝が魔獣をけしかけた。という説だ。
その説は間違いではあるが、彼らからすれば疑う余地はあまり無い話になる。
「バレたか」
「!」
「だから、魔獣をこの地によこした…そして見せしめにナターシャ達を…!」
「り、リーダー…」
「レジスタンスを集めろ。緊急会議だ…!!」
町長の家の地下に、レジスタンス全てのメンバーが集められた。
「どうも、皇帝にバレたようだ」
「!!!」
レジスタンスのメンバーは、次々に騒ぎ立てて動揺を見せる。
「計画を変更する。我々はこの地を捨て、ローティカに向かう」
「リーダー…」
「そして皇帝の軍事パレードにて、総攻撃を行う」
総攻撃。それは即ち、メンバー全ての死・玉砕を意味している。
どうせバレて捕まり、処刑されるくらいなら…というレジスタンスのリーダーの考えによるものだ。
「参加したくないものは、今すぐここから出ていけ、そして逃げて生き延びよ」
レジスタンスのリーダーのその言葉に、メンバーの3分の1がその場から出ていった。
「残った者よ…ありがとう。家族との別れの挨拶は、大丈夫か?」
「大丈夫です!リーダー!」
「我々は戦って死にます!」
仄暗い地下空間が湧き上がる。この場にはケインもいた。
「では、会議を始めよう」
レジスタンス玉砕特攻総攻撃に向けての会議が、始まったのだった。
「っし、ナターシャ達迎えに行くかぁ!」
早朝の漁を終えたケインは、リークの家に向かって歩いていた。理由は漁に誘う為だ。
藪を掻き分け、木々の茂った道を歩く。
「…」
しかし、そこにあるはずのものは忽然と姿を消していた。
「おかしいな、家この辺だったよな」
ケインは頭を傾げながら、辺りを探すもリークの家やメイルとマッシュ夫妻の家は見当たらない。
しかし、あるものは見つかった。
「!」
土の道に落ちていたのは、血痕。実はこれ、メイルが水鏡で転移する際に残したダミーの血痕である。
「ナターシャらは魔獣に襲われ、命を落とした」と見せかける為のダミーだ。ちなみに魔獣は、ウサギのような魔力を使える獣全てを指す。
「大変だあ…!」
見事にダミーの血痕に引っかかったケインは、すぐさま町長…レジスタンスのリーダーにこの事を報告した。
レジスタンスのリーダーは、残念そうな表情を見せる。勿論彼もまた、ダミーの血痕である事には気づいてもいない。
「不幸な事だ…」
「ああ…嘘だと言ってほしいぜ…」
ケインはいつの間にか、涙を流していた。彼の頭の中では可憐に笑うナターシャの顔が浮かんでいる。
「だが、この辺に魔獣はいたか?」
「いいや…鹿や小動物くらいならたまに見かけるが…」
「そうだよなケイン。魔獣はおろか熊や虎も滅多に見ないはずなんだが…」
ここで、レジスタンスのリーダーはある仮説にたどり着いた。それは皇帝が魔獣をけしかけた。という説だ。
その説は間違いではあるが、彼らからすれば疑う余地はあまり無い話になる。
「バレたか」
「!」
「だから、魔獣をこの地によこした…そして見せしめにナターシャ達を…!」
「り、リーダー…」
「レジスタンスを集めろ。緊急会議だ…!!」
町長の家の地下に、レジスタンス全てのメンバーが集められた。
「どうも、皇帝にバレたようだ」
「!!!」
レジスタンスのメンバーは、次々に騒ぎ立てて動揺を見せる。
「計画を変更する。我々はこの地を捨て、ローティカに向かう」
「リーダー…」
「そして皇帝の軍事パレードにて、総攻撃を行う」
総攻撃。それは即ち、メンバー全ての死・玉砕を意味している。
どうせバレて捕まり、処刑されるくらいなら…というレジスタンスのリーダーの考えによるものだ。
「参加したくないものは、今すぐここから出ていけ、そして逃げて生き延びよ」
レジスタンスのリーダーのその言葉に、メンバーの3分の1がその場から出ていった。
「残った者よ…ありがとう。家族との別れの挨拶は、大丈夫か?」
「大丈夫です!リーダー!」
「我々は戦って死にます!」
仄暗い地下空間が湧き上がる。この場にはケインもいた。
「では、会議を始めよう」
レジスタンス玉砕特攻総攻撃に向けての会議が、始まったのだった。