その生徒会、取扱注意につき!
「…ハァ。私、本当に大丈夫かな?」
ため息と共に思わずこぼれた本音が誰もいない生徒内室に響く。
しかし、その時。
「何、ため息ついてんの?」
「え…」
誰もいないはずの生徒会室から聞こえてきた声に私は目を見開いた。
しかも、今の低い声ってどう考えても…。
おそるおそる声のする方向を振り向くと、そこには、黒涼高校の制服を着た男子生徒が1人立っている。
窓が開いていることから、1階の生徒会室の窓から侵入したのは確かなようだ。
スラリとした長身に黒髪。
切れ長の二重の瞳、鼻筋も通っていて、十中八九イケメンの部類に入る彼は、人懐こそうな笑みで私を見つめている。
パット見の印象は爽やかな好青年。
「あなたは誰?…っていうかここ女子校なんだけど…何勝手に入ってきてんの?」
びっくりしすぎて、うまく言葉が出てこない。
そんな私を黒涼高校の制服を着た彼は余裕そうな表情で見据えると。
「俺?俺の名前は、是沢(これさわ)千歳(ちとせ)。黒涼高校の2年生だよ、よろしくね。白浪女学院生徒会長の西藤立栞ちゃん」
爽やかに笑みをこぼした。