その生徒会、取扱注意につき!
第5話❥体育科の澄川南翔
「今日も平和だなぁ…」
特進科の教室で大きく伸びをした私は、自分の席から窓の外を眺める。
黒涼高校に通い始めて気づけば、1週間。
突然決まったトレード留学に、はじめのうちは正直困惑していた私だったけど案外、この生活も悪くないと思う今日この頃。
普通科の生徒達も思っていた以上にフレンドリーで。
「あ…!西藤さんじゃん」
「西藤さん、おはよっす」
学食で何度か顔を合わせた数名の生徒達とは、廊下で会えば挨拶を交わすくらいの仲にはなっていた。
史緒くんが、普通科は気の良い連中ばかりだと言っていたことも頷ける。
ちなみに有紗と美心からは、黒涼高校へ初登校し、帰宅したあと鬼のようにメッセージがきていたことに気づき、慌てて3人のグループで電話をしたのだが…。
「ちょっと!今日からそっちに行くなんて私きいてないよ!大丈夫なの!?」
「うわーん。会長〜!ひどいです、心配してるんだからメッセージに返事してくださいよ」
「ご、ごめんね!忙しくてチャット確認する暇がなくて…」
怒る有紗と泣く美心をなだめるのにかなりの時間を要したのだった。
ある意味怒涛の1週間だったが、ようやくこの生活にも慣れてきて少し余裕も出てきた私。