その生徒会、取扱注意につき!
表情や口調は、一見、穏やかで優しいのだがどこかつくられたような冷たい印象を受けた。
「ふーん、立栞ね。俺は澄川南翔(みなと)。黒涼高校の2年生。よろしくね」
"澄川南翔"
その名前に聞き覚えがあり、私は思わず目を見開く。
以前、学校案内で史緒くんが話していた千歳が手を焼いてるという体育科の人だよね…?
「体育科には近づくな」と口を酸っぱくして言われていたことを思い出し、サーッと血の気が引くのを感じた。
もしかして、私…今、ピンチだったりする?
「立栞のその反応、もしかして、俺のこと知ってる?そっか、そっか〜。誰から聞いたみたいだね。しかも、俺のこと良い感じで話してくれなかったっぽいし…。うーん、俺のこと大嫌いな史緒かな?それとも過保護そうな千歳?」
ニコニコと貼り付けたような笑みを浮かべ、近づいてくる彼に私は一定の距離をとる。
「あの、千歳に用事だったみたいですけど、何の用ですか?」
「最近会ってなかったからさ〜、ちょっと顔見たくなっただけ。他意はないよ。あ、俺のことは南翔って呼んでね?せっかくなら立栞とも仲良くなりたいし」