その生徒会、取扱注意につき!
私が警戒しているのはわかっているだろうに、全く気にした様子もなくフレンドリーに接してくる澄川くん。
「そんな警戒されると俺、傷つくな〜」
なんて言いつつも、ジリジリと距離を詰めてくるものだから、反射的に後ろに後ずさる私。
しかし…。
狭い教室内で、いつまでも逃げられるわけもなく、最終的には、壁際まで追いやられてしまい…。
なぜか教室の壁と、彼の間に挟まれる、所謂、壁ドン状態になってしまった。
「えーっと…澄川くん」
チラリと頭上に見える端正な顔立ちに向かって声をかける。
「南翔ね。で、何?」
「……南翔くん、もう逃げないのでちょっと離れてもらってもいいかな?」
「うーん。まぁ、いいけどさ〜。じゃあ、立栞も俺のお願い聞いてくれる?世の中ギブ・アンド・テイクだしね?」
クスッと機嫌良く微笑む南翔くんに対して。
「お願い…?」
と、私は思わず口に出してしまっていた。
「そ。お願い。そんなに心配しなくても大丈夫だよ?簡単なお願いだし」