その生徒会、取扱注意につき!

「…は?」

煽るような物言いの南翔くんに対して、千歳は嫌そうに表情を歪める。

「千歳怖っ。そんな顔してたら立栞に嫌われちゃうよ?」

「…南翔。いい加減にしろ。特進科に体育科は足を踏み入れない決まりだ」

「別にそんな決まり、俺には関係ないね。生徒会長様が勝手に決めただけだろ?言っとくけど体育科は一切、納得なんかしてない。つか、そもそも、生徒会メンバーに対してだって不満だらけだぜ?」

ケラケラと小馬鹿にしたように言葉を紡ぐ南翔くんに私は小さく息を呑んだ。

「へぇ?俺達に不満があるなら直接言ったらどうだ?」

「バカだな〜。千歳は。だから、俺が今日わざわざ来てやってんだろ?」

「…ッ」

今にも一戦交えそうなひりついた空気が教室内に漂う。

南翔くんは、好戦的だし。
千歳もいつもの優しい雰囲気と違って、なんだか纏うオーラが黒い気がするし…。

きっと、2人がケンカを始めたら私じゃ収集がつかない。

2人の関係性はよくわからないけれど、こんな教室のど真ん中で争われたら溜まったもんじゃないのだけは確かだった。
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