その生徒会、取扱注意につき!
一瞬、驚いたように私を見たのは心葉ちゃんだ。まさか、私がかばうなんて思わなかったんだろう。
今にも泣き出してしまいそうな潤んだ瞳で、ジッと私を見つめている。
すると。
「立栞って優しいんだね〜。でも、俺と心葉のことなんだし、いちいち口出しされるのは正直、気分悪いかな」
ニッコリと笑みを浮かべ、私を見据える南翔くん。
表情は笑顔のはずなのに、ピシッと一気に重くなる空気感に私はゴクリと息を呑んだ。
それは、この前、千歳と対峙していた時と同じような雰囲気で…。
そんな空気を感じとった心葉ちゃんと有紗は表情を強張らせているし、美心にいたっては居心地が悪そうにうつむいてしまっている。
「…まぁ、でも今回は許してあげる。立栞は特別だからね…?」
「え…?」
フッと不敵に微笑んだ南翔くんは、平然とした様子で私に向かって手を伸ばしてくる。
「よけないと」そう頭ではわかっているのに、まるで金縛りにあったかのように体が動かない私。
あと数センチで南翔くんの手が私に触れようとした、その時。
「はい、ストップ…。南翔、そこまでだよ」
そう言って、彼の手首を横からつかんだのは伊緒くんだった。