その生徒会、取扱注意につき!

「伊緒くん…?何でここに…?」

予想打にしていなかった人物の登場に私は自分の目を疑う。

さらには…。「立栞先輩、大丈夫すか?」と私の背後から登場した琥太郎くんにぎょっとしてしまう始末。

「え、琥太郎くんまで…?2人とも何でここにいるの!?」

黒涼生徒会メンバー2人の登場に私はパチパチと目をしばたたかせる。

さすがに伊緒くんと琥太郎くんの2人で、カフェでくつろいでましたなんて言い訳は無理があるし。
そもそもこの2人の組み合わせ自体が珍しい。

「え〜っと、とりあえず、俺と伊緒先輩がここにいる理由はまたあとでゆっくり説明しますんで」

私が考えていることを察したのか、苦笑いを浮かべた琥太郎くんがそう声をかけてくれた。

とりあえず、説明は後で聞くとして…。

私は琥太郎くんから未だに膠着状態の伊緒くんと南翔くんに視線をもどす。

「今日は伊緒か。この前はあんまり話せなかったし会えて嬉しいよ。でも、俺としては史緒をからかうほうが楽しいから伊緒よりも、史緒がよかったなぁ」

「……」

クスクスと微笑む南翔くんを無表情で見据える伊緒くん。


普段から顔にあまり出ないタイプではあるけれど、ここまで無表情な彼は初めて見た。
< 61 / 107 >

この作品をシェア

pagetop