その生徒会、取扱注意につき!
ポツリと、噛みしめるようにそうつぶやいた彼女は、サッと南翔くんの横に移動する。
「そ?心葉の好きにしたらいいよ」
「…うん」
ギュッと南翔くんの腕をつかむ心葉ちゃん。
その姿は、彼に嫌われたくないと必死な様子にみえた。
「行こう、立栞」
そんな2人を横目でみつめた伊緒くんは、再度私に声をかける。
その表情は「あの子に、いくら言ってもムダだよ」とでも言いたげだ。
「うん、わかってる」
店内に残る南翔くんと心葉ちゃんに後ろ髪を引かれつつも、私は伊緒くんとともにその場をあとにする。
そんな私たちの後ろ姿を「クスッ」と意味深な笑みをこぼして南翔くんが見送っていたことに、この時の私は気づいていなかったーー。