その生徒会、取扱注意につき!
「トレード留学…?」
またもや理事長から出てきた突拍子もない発言に私をはじめ、有紗も美心も目をパチパチとしばたたかせた。
「そ!トレード。簡単に言うとまずはお互いのことをよく知りましょうってことで、白浪女学院から代表で数ヶ月間、黒涼高校に入ってもらうのよ。そうしたら、生徒、学校雰囲気もの大体はつかめるでしょう?で、それがうまく行けばその後は黒涼高校の生徒の代表者にうちの学院にしばらく通ってもらうの!うん!そうしましょう!」
そこまで言い放った理事長は「早速、黒涼高校の理事長に電話するわね〜」と、スマホを取り出し電話をかけ始める。
「あ!美千子?私、彩也子!あのね〜統合の話なんだけど〜。うちの生徒が黒涼高校の雰囲気とか知りたいらしくて。よかったらしばらく、うちの生徒そっちに通わせてもらえない?え、うんうん!そう。あ、大丈夫?ありがとう〜!じゃ、詳細はまた連絡するわね?うん、またね〜」
その間、私達は頭が追いつかなくてポカンとそのやり取りを眺めることしかできなくて。
呆気にとられてあんぐりと口を開ける私。
その後、黒涼高校の理事長と電話が終わり、スマホを切った理事長は。
「向こうはOKだそうよ。さ、うちからは誰が行きましょうか?」
私達に向かって、楽しそうにそう声をあげたのだったー…。