その生徒会、取扱注意につき！

「あの…！すみません。理事長、黒涼祭って…？」

特進科の教室へと戻る途中。
美千子理事長の少し後ろを歩きながら、私は意を決して声をかけた。

「…あら？西藤さん、是沢くん達から黒涼祭のこと聞いてなかったの？」

「はい、全然っ！」

私は語気を強め、コクコクと大げさに首をたてにふる。

さっき、安田先生は「生徒会とも連携して準備を進めている」なんて言っていたけれど、私自身は全く話を聞いていない。

「あらまぁ。そうだったの…！」と目を見開く理事長の顔をジッと見つめ私は内心不満でいっぱいだった。

「黒涼祭はね、毎年7月に行われるうちで1番大きなイベントなの。他の学校で言う文化祭みたいなものかしら」

そう言って語りだした美千子理事長の話をまとめると。

黒涼祭は、毎年7月の夏休み前に行われる黒涼高校のイベントで、2日間にかけて行われる。

1日目は出店やステージ上での出し物など文化祭のようなイベントがあり、その際には一般のお客さんも招待されるまたい。
きっと、先ほど理事長たちが、白浪女学院の生徒を招待しようと話していたのはこのことのようだ。

そして、2日目。
こちらは、教師側が生徒へ何かしらのお題を出し、クラス対抗で優勝を競う、いわゆる体育祭のようなイベントが行われるらしい。
ちなみに優勝したあかつきには、理事長より豪華賞品が授与されるようで、毎年どのクラスもかなり本気で勝ちを狙いにくるとのこと。

「ちなみに去年のお題は、かくれんぼだったのよ。うふふ、クラス対抗で校内に隠れて、全員見つかったらそのクラスが負けって言うルールだったの」