その生徒会、取扱注意につき!
昨年の黒涼祭での出来事ことを思い出しているのか、クスクスと楽しげに微笑む美千子理事長。
「…楽しそうな行事ですね」
「えぇ。せっかくだしトレード期間中の西藤さんにも、我が校の行事を楽しんでもらえると嬉しいわ。それじゃ、私は理事長室に戻るから。またね」
くるりと踵を返し、理事長室へと続く階段を上る理事長の後ろ姿を見送った私は、特進科の教室へと向かいつつ、小さく肩を落とした。
千歳たち、なんで黒涼祭のこと教えてくれなかったんだろう…。
そりゃ、私は黒涼高校にとっては部外者になるけれども。
美千子理事長の中ではその行事に、白浪女学院の生徒を招待するなんて計画も立てられているわけだし、全く私に関係がないとは言えないはずなのに。
そんなモヤモヤした気持ちを抱えたまま、私は特進科の教室へと足を踏み入れる。
すると。
「あ、立栞。戻ってきた」
「ったくもう。遅いんだけど?あんたが戻ってくるまで弁当食べるの待つって千歳がうるさいから、待ってたんだけど。全く…こっちはいい迷惑だし」
「立栞先輩…!早く食べましょ〜」
そう言って、普段通りに接してくる彼らを見据え、私は小さくため息をこぼした。