その生徒会、取扱注意につき!
琥太郎くんって、生徒会の中でもムードメーカー的存在だし、いつも笑顔で明るいから、そんな背景があるなんて夢にも思わなかった。
だけど、きっと琥太郎くんの今までの生き方が、今の優しい彼を作っているんだろうな…。
そう思うと、思わずフッと口元がゆるむ。
「ふふ。琥太郎くん妹さんがいるんだね。3歳下ってことは、今、中学1年生?」
「そうっす。杏花(きょうか)って言うんですけど。これが俺が言うのもなんですけど、可愛いんですよ〜」
目尻を下げ、そんな妹自慢を初める琥太郎くん。
「あ、写メ見ます?」と制服のポケットからサッとスマホを取り出し、緩んだ表情で写真を見せてくれた。
「わぁ…!本当に可愛いね」
画面に映し出された琥太郎くんの妹、杏花ちゃんの写真に私は歓声をあげる。
中学校の制服だろうか。
真新しいセーラー服に身を包み、満面の笑みで桜の下に立っている女の子。色白の肌に、サラサラの黒髪ボブがなびいている。
琥太郎くんに似たキリッとした目元は、笑うと目尻が下がって可愛らしい。
琥太郎くんがついつい妹自慢しちゃうのもうなずけた。
「そういえば、立栞先輩は兄弟いないんすか?」
「うん。私は一人っ子なの。だから、兄弟って憧れちゃうな」