時を刻まなくなった時計
『山は紅葉の紅に染まり、空は澄み渡った秋晴れで、毎日清々しい朝を迎えています。貴女は、きっと家の書物を読み漁っているのでしょうね。昔から、好んで読んでいましたから。……』
懐かしい。その気持ちを代弁するかのように、山の木々は赤や黄に色づいていた。
懐かしい。その気持ちを代弁するかのように、山の木々は赤や黄に色づいていた。