時を刻まなくなった時計

第4話 貴女と呼ばれる少女

 昔から慕っていた、兄のような青年がいた。

 兄といっても、年は2つ程しか変わらない。しかし、彼は私よりも多くのことを知っていた。美しい金の懐中時計だって持っていた。頑張っているから、と豪商である両親から贈られたらしい。
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