時を刻まなくなった時計


 家が荒れ、食事もろくに取れない生活が長く続いたある日の夜。

 少しばかり痩せたように見えた彼は、戦場へ赴かなければならなくなった。

 私がどれ程、心配しても、貴方は私に優しく微笑んでくれていた。それこそ、この地を離れるギリギリまで。

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