時を刻まなくなった時計



 ベッド脇には、貴方が残した金縁の万年筆と今もなお、時を刻み続ける金の懐中時計が置かれていた。



 カチカチ、カチカチ、と鳴る懐中時計の音は、私があちら側へ行く逝くのを見守っているようであった。




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