迷宮階段
麻衣も、もう理解しているはずだ。なにをどう比べてみても私には負けてしまうのだと。今、クラスのトップに君臨しているのは間違いなく私だ。

 私はみんなへ向けて微笑みかける。勝誇った笑みを、その奥に隠して。
「今度の休日はどこに行く? おごってあげるよ!」

 私のひとことで教室中に歓声が沸き起こる。
 いつだったか感じていた心の中のモヤは、知らない間に消え去っていたのだった。
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