迷宮階段
☆☆☆
もしも本当に人を交換できるのなら、もう少し華やかで楽しい友達がほしい。
体育の授業が終わってからもしばらく落ち込んでいる里子を見て、私はぼんやりとそんなことを考えていた。
たとえば麻衣みたいな子。
その場にいるだけで空気を変えてしまうような、影響力のある友人がいれば、きっと自分ももっと明るくなることができる。
決して里子のことが嫌いなわけじゃないけれど、つい考えてしまった。そして放課後になり、私と里子は一緒に教室を出た。
窓から差し込む西日はどこか薄暗くて、空を見上げてみると黒い雲がかかっているのが見えた。
雨が降るかもしれない。里子はバスだからいいけれど、徒歩通学の私は濡れてしまうかも。
そう思い、早足で校門までやってきたとき、急に放課後配られたプリントのことを思い出して足を止めた。
「あ、プリント忘れてきたかも!」
もしも本当に人を交換できるのなら、もう少し華やかで楽しい友達がほしい。
体育の授業が終わってからもしばらく落ち込んでいる里子を見て、私はぼんやりとそんなことを考えていた。
たとえば麻衣みたいな子。
その場にいるだけで空気を変えてしまうような、影響力のある友人がいれば、きっと自分ももっと明るくなることができる。
決して里子のことが嫌いなわけじゃないけれど、つい考えてしまった。そして放課後になり、私と里子は一緒に教室を出た。
窓から差し込む西日はどこか薄暗くて、空を見上げてみると黒い雲がかかっているのが見えた。
雨が降るかもしれない。里子はバスだからいいけれど、徒歩通学の私は濡れてしまうかも。
そう思い、早足で校門までやってきたとき、急に放課後配られたプリントのことを思い出して足を止めた。
「あ、プリント忘れてきたかも!」