迷宮階段
「これを望んだのは私だ。私は今一番幸せ」
 学校でのことを無理やり思い出す。

 誰も私に文句を言わない。誰もが私に憧れている。
私はクラスの、いや、学年で一番の権力を持っている。

 気分がよくなり眠れそうな雰囲気に鳴った時、一瞬だけ、なにも変わることのない里子の顔を思い出したのだった。
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