迷宮階段
☆☆☆

 翌朝目が覚めると昼を少し過ぎた時間だった。
 スマホを確認すると友達からのメッセージが何件か来ていたけれど、今更学校へ行く気にもなれなくて無視しておいた。

 だらだらと着替えをしてキッチンへおりていく。そこにはお金が置いてあって、右手で握りしめる。
 リビングからは相変わらずテレビの音が聞こえてくるけれど、声をかけるつもりはなかった。

 洗面所で念入りに化粧をして、年齢よりも少し上に見えるように気をつけた。
 短いスカートを履き、ブランドバッグを持って外へ出る。外の日差しが眩しくて一瞬目がくらむ。

 それでも何か食べないといけないから、私は昼の街をダラダラと歩いてファミレスへ向かった。
 なんだか、なにをするのも面倒な気分だ。
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