迷宮階段
永久階段
『交換したもの、全部元に戻して！』
　ギュッと目を閉じて叫んだ。自分の声が階段にこだまする。

　他にはなにも聞こえなくて、とても静かで私はゆっくりと目を開けた。
　周囲はなにも変わっていない。変わっていないはずなのに、なぜか違和感があった。

　この違和感はなんだろう？
　そう考えた時、どこからも部活動の音が聞こえてこないことに気がついた。

　どうしてだろう。
　いつもならここにもグラウンドで練習している生徒たちの掛け声や、ブラスバンド部の演奏の音が聞こえてくるのに。

　不思議だったけれど、今日は部活動が休みの日なのかもしれない。最近学校をサボりがちだったから、よくわからない。
　とにかく、やるべきことはやったんだ。これで明日の朝にはすべて元通りだ。ホッとして笑みが浮かぶ。
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