迷宮階段
☆☆☆
透明な雨傘に雨が叩きつけてきて、周囲の音を消してしまう。こんなに大振りなのは久しぶりで、足元が悪くて仕方ない。
朝から最悪な気分で学校に到着すると、いつもどおり里子は先に登校してきていた。
「おはよう」
変わらず声をかけると、本を読んでいた里子が少し驚いた表情でこちらを見た。
「お、おはよう」
ぎこちない挨拶に首をかしげる。
「朝から読書なんて珍しいね」
里子が本を読み始めるのはたいてい朝のホームルームが終わってからだ。
しかし里子は首をかしげて「いつも読んでるけど……」と、ぎこちない様子で言った。
「え?」
何言ってるんだろう。いつもはこの時間は私とおしゃべりしているのに。
そう言おうとしたときだった。教室のドアが開いて麻衣たちが登校してきた。その瞬間教室の空気が一気に華やかになる。
透明な雨傘に雨が叩きつけてきて、周囲の音を消してしまう。こんなに大振りなのは久しぶりで、足元が悪くて仕方ない。
朝から最悪な気分で学校に到着すると、いつもどおり里子は先に登校してきていた。
「おはよう」
変わらず声をかけると、本を読んでいた里子が少し驚いた表情でこちらを見た。
「お、おはよう」
ぎこちない挨拶に首をかしげる。
「朝から読書なんて珍しいね」
里子が本を読み始めるのはたいてい朝のホームルームが終わってからだ。
しかし里子は首をかしげて「いつも読んでるけど……」と、ぎこちない様子で言った。
「え?」
何言ってるんだろう。いつもはこの時間は私とおしゃべりしているのに。
そう言おうとしたときだった。教室のドアが開いて麻衣たちが登校してきた。その瞬間教室の空気が一気に華やかになる。