迷宮階段
混乱する頭の中に浮かんできたのは昨日の七不思議だった。
 交換階段。それを私はやってみたんだ。

 交換階段をすると、その翌日には願いが反映されるのだと里子は言っていた。
 まさか、あれが本物だった……?

 そんなわけないという気持ちと、実際に里子や麻衣の態度が普段と違うことが交差する。
「真美、本当に大丈夫?」

 麻衣が心配そうな顔つきになる。
「だ、大丈夫だよ」

 自分だけおかしなことを他に悟られてはいけない。私はそう思って、必死で麻衣に合わせたのだった。
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