迷宮階段
目の前にはおかっぱ頭で、貧血持ちの里子がいる。今日は里子の頬はピンク色に染まっているが、調子が悪いときには顔全体が青白くなってしまう。
それに比べて麻衣の友人たちはみんな垢抜けていて、メークやファッションにこだわっている。
彼らが話し始めると、さざなみだった私語はとたんに花畑へと変化する。
「いいなぁ麻衣は」
ポツリと呟く。
「え? なにか言った?」
私の呟き声は麻衣たちの華やかな私語にかき消されて里子には届かなかった。
「ううん、なんでもない」
左右に首をフリ、ごまかしたのだった。
それに比べて麻衣の友人たちはみんな垢抜けていて、メークやファッションにこだわっている。
彼らが話し始めると、さざなみだった私語はとたんに花畑へと変化する。
「いいなぁ麻衣は」
ポツリと呟く。
「え? なにか言った?」
私の呟き声は麻衣たちの華やかな私語にかき消されて里子には届かなかった。
「ううん、なんでもない」
左右に首をフリ、ごまかしたのだった。