迷宮階段
「あぁ……片付けはちゃんとするから大丈夫だよ」
 そう言っているそばからお母さんが部屋の片付けを始めてしまった。テーブルの上に出しっぱなしにしていた雑誌が本棚に収まっていく。

「全く、こんな汚いことをしているから菌が繁殖して体調が悪くなるのよ」
 ブツブツと文句を言いながら私を睨みつけてくる。

「片付けはするって言ってるでしょ? 体調が悪いんだからほっといてよ」
 思わず布団を頭からかぶる。

 今は誰からの小言も聞きたくなかった。そんな気分じゃない。
 お母さんも、もう少し気を使ってくれればいいのに。

「晩ごはんができたら持ってくるから、食べられるだけ食べなさいよ」
なにもいらない!!
 私は心の中でそう叫んできつく目を閉じたのだった。
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