迷宮階段
一年生の頃から同じクラスで、なにかと言えば一緒に行動することが多かった。そのうちになんとなく引かれていったのだけれど、告白らしいことは互いにしていなかった。本当に、自然とそうなった感じだ。

「別に、告白とかしてないよ」
私は里子にいつもそう伝えるのだけれど、里子は信じてくれていない。今だって疑うような視線をこちらへ向けてきていた。

「まぁいいけど、いつかちゃんと教えてもらいますからね!」
里子がそういったところで担任の女性教師、矢沢先生が教室に入ってきたのだった。
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