迷宮階段
 答えながら席につき、お味噌汁を口に運ぶ。昨日からささくれだっている心にジワリと染み込んでいく。
「全く。学校にメークなんてしていく必要ないでしょうに」

 しかめっ面になっているお母さんといつまでも朝食を囲んでいる気には馴れず、ご飯をかきこむ。
「こら、早食いしない!」

 また注意されるけれど気にせず、私はすぐにキッチンから出たのだった。
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