迷宮階段
「麻衣ってね、普段からずっとあんな感じじゃん? だから気にしちゃダメだよ」
歩き出しながら香が苦笑い気味に言う。
「そうなんだ」
「そうだよ。人の彼氏取るなんて珍しいことじゃないでしょう?」
もしかしたら香も昔麻衣に彼氏を奪われたのかもしれない。
「でもあの子飽きっぽいからすぐに別れるんだよね。そしたら彼氏の方もやっと目を覚まして戻ってきてくれるから、もうみんな気にしてないよ?」
そうだったんだ。
それを知っていれば、昨日あれだけ泣くこともなかったかもしれない。途中から突如友達になった私には、知らないことだらけだ。
「気にしてくれてありがとう。もう、大丈夫だから」
私はそう言って微笑んだのだった。
歩き出しながら香が苦笑い気味に言う。
「そうなんだ」
「そうだよ。人の彼氏取るなんて珍しいことじゃないでしょう?」
もしかしたら香も昔麻衣に彼氏を奪われたのかもしれない。
「でもあの子飽きっぽいからすぐに別れるんだよね。そしたら彼氏の方もやっと目を覚まして戻ってきてくれるから、もうみんな気にしてないよ?」
そうだったんだ。
それを知っていれば、昨日あれだけ泣くこともなかったかもしれない。途中から突如友達になった私には、知らないことだらけだ。
「気にしてくれてありがとう。もう、大丈夫だから」
私はそう言って微笑んだのだった。