迷宮階段
☆☆☆
今日も麻衣と海人は自慢するように寄り添っている。
だけど香が前に言っていたように麻衣はとても飽きやすい性格をしているのか、昼頃になると海人の誘いを断って私達と一緒に昼食を取り始めた。
「今日は海人と一緒じゃなくていいの?」
嫌味を込めてそう聞いてみると、麻衣は「平気平気」と、笑っていた。
香たちはそんなことにも馴れているようで、誰もなにも言わない。私は口から文句が出そうになったけれどどうにか飲み込んだ。
この調子でいけば海人が自分に戻ってきてくれる可能性は十分にある。
教室後方で友人らと給食を囲んでいる海人は時折麻衣へ視線を向けて、なにか言いたげな表情を浮かべている。
麻衣はそれに気がついているはずだけれど、完全に無視している状態だ。
そんなふうにすぐに飽きるのなら、人の彼氏をとる必要なんてないのに。心の中で愚痴り、舌打ちをこぼす。
「これって新作コスメ!?」
友人の甲高い声に我に返って目の前へ視線を移動させた。麻衣が新しいリップを持ってきて自慢しているみたいだ。
それも有名ブランド品で、リップ一本で何万円するものだ。
私は驚いて麻衣を見つめた。
今日も麻衣と海人は自慢するように寄り添っている。
だけど香が前に言っていたように麻衣はとても飽きやすい性格をしているのか、昼頃になると海人の誘いを断って私達と一緒に昼食を取り始めた。
「今日は海人と一緒じゃなくていいの?」
嫌味を込めてそう聞いてみると、麻衣は「平気平気」と、笑っていた。
香たちはそんなことにも馴れているようで、誰もなにも言わない。私は口から文句が出そうになったけれどどうにか飲み込んだ。
この調子でいけば海人が自分に戻ってきてくれる可能性は十分にある。
教室後方で友人らと給食を囲んでいる海人は時折麻衣へ視線を向けて、なにか言いたげな表情を浮かべている。
麻衣はそれに気がついているはずだけれど、完全に無視している状態だ。
そんなふうにすぐに飽きるのなら、人の彼氏をとる必要なんてないのに。心の中で愚痴り、舌打ちをこぼす。
「これって新作コスメ!?」
友人の甲高い声に我に返って目の前へ視線を移動させた。麻衣が新しいリップを持ってきて自慢しているみたいだ。
それも有名ブランド品で、リップ一本で何万円するものだ。
私は驚いて麻衣を見つめた。