迷宮階段
 すでに口うるさい母親はいなくなっているし、沢山お小遣いをもらうことができれば自分の好き勝手にできるはずだ。
 それは今までの自分の人生では考えられないことだった。口うるさい母親に安月給の父親。

 窮屈で、安っぽい生活をしてきた。
「でもまぁ、それも今日で終わりだけどね……」

 私はスマホを握りしめてポツリと呟いたのだった。
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