迷宮階段
☆☆☆
その日の晩ごはんはずっと食べてみたいと思っていた中華料理屋のお弁当だった。エビチリもあんかけご飯もとても美味しかった。
けれどそれを食べながらもお父さんはずっと難しい顔をしていた。
なにをそんなに眉間にシワを寄せているんだろうと思ったけれど、触らぬ紙に祟りなしだ。
私は特になにも聞くことなく、自室へ戻って眠ってしまった。しかしその数時間後、一階から聞こえ漏れてくる声に目を覚ましてしまった。
「なんでいつも弁当や菓子パンで終わらせるんだ」
足音を立てないようにリビングの前までやってくると、お父さんのそんな声が聞こえてきた。
「だって、そのほうが楽でいいじゃない」
「真美は育ち盛りなんだぞ。たまにはちゃんと料理してやれよ」
その日の晩ごはんはずっと食べてみたいと思っていた中華料理屋のお弁当だった。エビチリもあんかけご飯もとても美味しかった。
けれどそれを食べながらもお父さんはずっと難しい顔をしていた。
なにをそんなに眉間にシワを寄せているんだろうと思ったけれど、触らぬ紙に祟りなしだ。
私は特になにも聞くことなく、自室へ戻って眠ってしまった。しかしその数時間後、一階から聞こえ漏れてくる声に目を覚ましてしまった。
「なんでいつも弁当や菓子パンで終わらせるんだ」
足音を立てないようにリビングの前までやってくると、お父さんのそんな声が聞こえてきた。
「だって、そのほうが楽でいいじゃない」
「真美は育ち盛りなんだぞ。たまにはちゃんと料理してやれよ」