迷宮階段
☆☆☆

 残っていた三人でファミレスへやってきた私はようやく麻衣とまともに会話ができていた。
「今日はどうしたの? なんか浮かない顔してたけど」

「うん。実はね……」
 麻衣は静かに話だす。それは父親の給料が減ったという話だった。

 普段から少ないお小遣いの中でやりくりしていたのに、このままじゃお小遣いがなくなってしまう。そうしたら、今日みたいにみんなと遊びに出かけることもできなくなってしまう。

「それで悩んでたんだ?」
 麻衣はコクンと頷く。

 テーブルの上には注文していたパスタやオムライスやピザが並んでいる。これを食べ終えたら次はパフェが届くはずだ。
「そんなのさぁ、気にしなくていいじゃん」
< 90 / 164 >

この作品をシェア

pagetop