《番外編》妹に彼氏を寝取られ傷心していた地味女の私がナンパしてきた年下イケメンと一夜を共にしたら、驚く程に甘い溺愛が待っていました
可愛いのは俺だけの前で
 最近、亜夢が可愛過ぎる。

 いや、前から可愛かったけど、最近より一層可愛さが増している気がする。

 亜夢曰く俺の為だと言うけど、周りはそんな事知らないから、街を歩けば通りがかる男共はみんな亜夢の可愛さに視線を向けて来る。

 お洒落をするのも可愛くなるのも俺の為ってのは嬉しいけど、変な虫が寄り付かないか不安で不安で堪らない。

(……俺、どんだけ嫉妬深いんだよ……何かこういうのガラじゃないと思ってたけど、それだけ好きって事なんだよな、きっと)

 自分の嫉妬深さに戸惑いつつも、亜夢への想いは溢れるばかり。

(けど、こういうのってやっぱりウザいよな……。男はもっと、心に余裕を持ってないとダサい気がする……)

 ただでさえ俺は亜夢よりも年下なのに、こんなに嫉妬丸出しじゃ、余計子供に見えるような気がする。

 だけど、不安なものはやっぱり不安。

 そんな俺の気持ちを知ってか知らずか、明後日行く予定のホテルには室内プールが併設されていて、そこで着る為の水着を買ってきたとか言って嬉しそうに見せて来たけど、あれは駄目だ。

 フリルが付いたフレアトップのビキニタイプの水着は可愛いけど、あの水着を着た亜夢の姿を他の男が目にするのかと思うと素直に褒められない。

(何とかして、もう少し布の面積が多い水着にさせないと……)

 俺としてはワンピースタイプの水着を着て欲しくて、その為に出来る事を考えた俺の脳裏にはある事が思い浮かぶ。

(よし、これなら必然的にビキニは着れないよな)

 我ながら良い考えだと思わず笑みが溢れた。

 そして、その夜――。

 共に同じベッドに入って寝ようとした亜夢の唇を塞ぐと、それを合図に身体を求め合い、その途中で、

「――ッ、やぁっ、んッ」

 明後日水着を着る事を考慮して首筋や鎖骨、腕や脚には付けなかったけれど、布で隠れるであろう胸に吸い付き、痕を付ける。

 その流れで下へ下がっていきながらお腹へと舌を這わせ、ヘソ周りや腰辺りにも強く吸い付いていく。

 攻められている亜夢は気付いていないようだけど、これが俺の考えていた事。

 お腹や腰周りに付けてしまえば、必然的にビキニは着れなくなると考えたのだ。

(強めに付けたから、すぐには消えないしな)

 そして行為の後、再び風呂に入った俺たち。

 シャワーを浴びていた亜夢は、

「酷いよ百瀬くん……こんなところに痕付けられたら、今日買った水着……着れないよ……」

 なんて言いながら嘆いていて少し可哀想に思ったけど、あれは俺と二人きりの時に着てくれればいい。

「ごめんね? 明日もう一度買いに行こう? ほら、ワンピースタイプなら着れるでしょ? お詫びに可愛いやつ買ってあげるから許して?」
「……百瀬くんが選んでくれるなら、いいよ」
「勿論!」

 何とか亜夢も納得してくれて、無事に事なきを得たのだった。


 -END-
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