《番外編》妹に彼氏を寝取られ傷心していた地味女の私がナンパしてきた年下イケメンと一夜を共にしたら、驚く程に甘い溺愛が待っていました

こういうのも、悪くは無い……かもしれない？

　ある日の休日。

　雑誌を読んでいた私はとあるページの記事に釘付けになった。

(マンネリ解消、コスプレH……)

　その記事にはカップルのマンネリを解消する為の方法が記されていて、その中にあったコスプレHという項目に何故か自然と目がいっていた。

(コスプレ……か……。そういえば、百瀬くんって、そういうの興味あるのかな？)

　ふとそれが気になった私は横に座って小説を読んでいる百瀬くんに声を掛けた。

「ねぇ百瀬くん」
「ん？」
「百瀬くんは、コスプレとか、興味ある？」
「コスプレ？ 何、突然」
「あのね、この記事なんだけど……」

　言いながら雑誌の記事を見せてみる。

「マンネリ解消……コスプレH？ もしかして、亜夢は俺との関係に飽きてきてるの？」
「ううん、そうじゃないよ。そのマンネリとかそういう事は置いておいて、ふとね、百瀬くんはコスプレに興味があるのかなって気になっただけ」
「へえ？ まあ……無くは無い……かな？」
「やっぱり、興味あるんだ？」
「うーん、どちらかと言えば、だけどね」
「そっか……」
「亜夢は？」
「え？」
「亜夢はそういうの、どうなの？ やっぱり興味ある？」
「うーん、そうだなぁ……こういう風に普段着る事の無い服を着たら、新鮮な気持ちになりそうだし……違った自分になれそうな気がするから……興味はあるかも？」

　あくまでも興味があるというだけで、別にコスプレがしたい訳じゃ無かったのだけど、私の返答を聞いた百瀬くんの口角が上がるのを見て、何となく……嫌な予感がした。

「それじゃあさ――やってみない？ コスプレ」
「……え？」
「ね？ 楽しそうじゃん」
「いや、でも……」
「亜夢はどういうの着たい？ まあ、俺としては、やっぱりメイド服かなぁ。あ、でもナース服も捨て難いなぁ～。亜夢は童顔だから、セーラー服とかも似合うだろうなぁ～」

　私の予想は的中して、すっかりその気の百瀬くんは私の言葉を待たず、どんどん話を進めていってしまう。