《番外編》妹に彼氏を寝取られ傷心していた地味女の私がナンパしてきた年下イケメンと一夜を共にしたら、驚く程に甘い溺愛が待っていました

　翌日は百瀬くんの誕生日の前祝いを家族がしてくれるという事で実家へ帰ってしまったので一日顔を合わせる事がなく、仲直り出来ないまま彼の誕生日当日を迎えてしまった。


「……百瀬くん、まだ、怒ってるのかな……」

　朝、今日の待ち合わせ場所と時間を確認しようと部屋に寄ったもののまだ寝ているのか応答が無かった。

　仕方ないから確認のメッセージを送ったのだけど、返事が無いどころか未読のまま。

　電話をしても留守番電話に繋がってしまい、どうする事も出来ない状況に、私は悲しくなった。

(やっぱり、怒ってる……)

　仕事を終え、待ち合わせ場所に行くべきか、一度マンションへ戻るべきかを考えていた、その時、

「亜夢」
「百瀬……くん」

　私の職場まで迎えに来てくれた百瀬くんの姿を見た私は、嬉しくて泣きそうになった。

「百瀬くん……ごめんねっ」

　人目があるのに、彼に会えた事が嬉しかった私は駆け寄ると自ら百瀬くんの胸に飛び込んだ。

「……いや、俺の方こそ、ごめん。子供みたいに拗ねて、なかなか素直になれなくて……」
「ううん。いいの、あれは私が悪かったの」
「……亜夢、食事はいいから、家、帰ろっか」
「……でも……」
「早く、二人きりになりたい。亜夢は？」
「……私も、二人きりが、いい」

　ようやく仲直り出来た私たちは外での食事を取り止め、自宅に戻る事にした。