ー僕たちは、それでも君を愛したー


(心配性だなぁ)

わざわざ送り迎えなんて…、そう呆れつつも、嬉しいと思う自分がいる。


「あぁ麗花。もう時間っ」

そう言われ、時計を見ると車で行くにしてものんびりしすぎたと焦る時間になっていた。

急いで準備して、家族三人で玄関を出る。

歩いて駅に向かう父とは家の前で分かれ、『行ってらっしゃい』『行ってきます』と言い合う。


ーーそんないつもと変わらない。

日常を過ごしていたはず、だった。
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