ー僕たちは、それでも君を愛したー
潔すぎるそれに、教室内は笑いに包まれる。
先生も「退屈でも授業中はせめて起きてような」と、笑顔で注意する。
ーーとても平和な、近くで事件があったなんて考えられないくらい、ごく普通の日常。
異変があったのは放課後のことだった。
校門で母の迎えを待つが、なかなか来ない。
1時間が過ぎようとしたところで、自分で歩いて帰ることにした。
まぁお母さんにも色々用事があるだろうし、と深くは考えなかった。