ー僕たちは、それでも君を愛したー


最初に頭に浮かんだのはもちろん、両親のこと。

「お母さんっ、お父さん…っ」

最悪の事態を想像して急いで中に入ろうとすると、警官に止められた。

「これ以上、中には入らないでください」

「通してくださいっ、ここは私の家です!お母さんたちは…っ」

そう言うと、警官は納得した顔をするが、通してくれはしない。

「羽白 慶太郎(けいたろう)と羽白 郁子(いくこ)の娘さんですか?」

「そうですっ、二人はどこですか!?無事なんですよね!?」
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