空へとの手紙

私は母子家庭で母は私を女でひとつで育ててくれた

父とは私が母のお腹の中にいると知った途端

行方をくらましたと、母から聞いており、

父に会いたいとも思わない。

物心ついた頃には既にここの団地で私を育ててくれた。


小学生の頃はお父さんがいる子達が羨ましかった。

お父さんとお母さんでね、遊園地行ったんだという

話を聞く度に耳を塞ぎたい気持ちで精一杯だった。

そして私はこの団地に住んでいることを知られたくなかった。