溺れるように愛して
―――
――


「お、来たか」



紗子から離れ職員室へと向かえば、わたしと目が合った広松先生が手を挙げた。

「こっちこっち」と低めのソファーに通され、ガラステーブルを挟んだ向かい側に先生が座った。


「一人か?」
「え?」
「花咲と夏目、セットで来るようにさっき職員室に来た川瀬に頼んでおいたんだけどな」
「そ、う……なんですか」


知らなかった。あの時川瀬くんは夏目くんの名前を口にしなかったし、セットで来るようにとの主旨も伝えられなかった。

言い忘れ?それとも夏目くんにも今伝えてるとか?

それとも―――
< 108 / 239 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop