溺れるように愛して
「そ。変わらないのね」
「うん……」
変わらない。川瀬くんは。
今だって普通に話しかけてくれる。気まずさなんて微塵も感じさせない勢いで「昨日部員がさ、」と何気ない会話まで織り交ぜてくる。
だからわたしはまだ通いやすいのかもしれない。
気まずさを抱えながら残りの高校生活を過ごしていたかもしれないと思うと、背中がぞっとする。
そうさせない強さを見せてくれる川瀬くんには感謝しかない。
自分を振った相手に変わらない優しさを見せるのは結構難しいことだと思うから。
「珍しいね。紗子から聞いてきてくれるなんて」
「そうね。興味はないんだけど」
「持って。幼馴染だよね、わたしたち」
「どうでもいいんだけど、なんかね。なんか、なのよね」
あまり口数は多い方じゃない。他人に興味を示すこともない。
そんな彼女がこうして自分から話題を振ってくるなんて珍しい以外のなにものでもなくて、
「うん……」
変わらない。川瀬くんは。
今だって普通に話しかけてくれる。気まずさなんて微塵も感じさせない勢いで「昨日部員がさ、」と何気ない会話まで織り交ぜてくる。
だからわたしはまだ通いやすいのかもしれない。
気まずさを抱えながら残りの高校生活を過ごしていたかもしれないと思うと、背中がぞっとする。
そうさせない強さを見せてくれる川瀬くんには感謝しかない。
自分を振った相手に変わらない優しさを見せるのは結構難しいことだと思うから。
「珍しいね。紗子から聞いてきてくれるなんて」
「そうね。興味はないんだけど」
「持って。幼馴染だよね、わたしたち」
「どうでもいいんだけど、なんかね。なんか、なのよね」
あまり口数は多い方じゃない。他人に興味を示すこともない。
そんな彼女がこうして自分から話題を振ってくるなんて珍しい以外のなにものでもなくて、