溺れるように愛して
人は誰しも共存したがる生き物。

それは同じ人間であったり、物であったり、存在しないものだったり。

何かにつけて孤独を嫌い、共感を得る事で大きくなったような気がして。

赤信号、皆で渡れば怖くない

そんな恐ろしい名言がこの世の中に出来てしまう程、人は孤独を嫌うのだ。


私はその赤信号の中の群衆の一人だった。

人から嫌われることを嫌い、出来るだけ穏便に、そして出来れば誰かにでも好かれたいような八方美人。


その方が生きていくのはラクだと思った。そうしていた方が正解だと思っていた。



――果たして、この世の中には、正解という概念はあるんだろうか。


仮にあるとするならば、何を基準として正解だと位置づけているのだろう。

わたしは今まで、何を基準として正解なんだと思ってきたんだろう。


――わたしは、一体、何になりたいんだろう。
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