溺れるように愛して
―――
――
「ねぇ、男女の友情関係で裏切りってなんだと思う?」
意味があるようでないような早起きをすれば、どうしても登校後は暇を持て余すことになる。
彼はこの時間に来ては早々に机に伏せて寝てしまうし。まぁ起きていたところで話せるような間柄でもないけど。
「……なに。また変なことに首突っ込んでないよね?」
結局話し相手は女学生の紗子になってしまう訳で。
彼女は今日も今日とて面倒くさそうな表情を浮かべて、本の世界から私の話に付き合ってくれた。
「してないよ。ただ、男女の裏切りってなにがあるのかなと思って」
「さぁ。そもそもその質問は私にするより別の人にした方がいいけど」
「男友達いないから?」
「天音と一緒でね」
似た者同士なのかはさておき、確かに私同様男友達という関係がいない彼女にするのは愚問だった。
男女の裏切りなんて聞いたところで泥沼な展開しか思い浮かばないけど、それが当てはまるのは恋人関係か家庭持ちかで限定される。
友情関係で裏切りにあたる行為とはなんなのか、私には理解出来ない。
「まぁ、浮気とか、お金とか?」
「そんなとこだよね。でも友達同士でお金はあったとしても浮気ってある?」
「付き合ってないからないわね」
「だよねぇ……お金は……んー」
ないような気がする。あの会話の雰囲気からしてそんな銭がちゃりんちゃりんするような話はないと思う。
どちらかというと浮気に近いような気もしなくはないが……何せ分からない。
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「ねぇ、男女の友情関係で裏切りってなんだと思う?」
意味があるようでないような早起きをすれば、どうしても登校後は暇を持て余すことになる。
彼はこの時間に来ては早々に机に伏せて寝てしまうし。まぁ起きていたところで話せるような間柄でもないけど。
「……なに。また変なことに首突っ込んでないよね?」
結局話し相手は女学生の紗子になってしまう訳で。
彼女は今日も今日とて面倒くさそうな表情を浮かべて、本の世界から私の話に付き合ってくれた。
「してないよ。ただ、男女の裏切りってなにがあるのかなと思って」
「さぁ。そもそもその質問は私にするより別の人にした方がいいけど」
「男友達いないから?」
「天音と一緒でね」
似た者同士なのかはさておき、確かに私同様男友達という関係がいない彼女にするのは愚問だった。
男女の裏切りなんて聞いたところで泥沼な展開しか思い浮かばないけど、それが当てはまるのは恋人関係か家庭持ちかで限定される。
友情関係で裏切りにあたる行為とはなんなのか、私には理解出来ない。
「まぁ、浮気とか、お金とか?」
「そんなとこだよね。でも友達同士でお金はあったとしても浮気ってある?」
「付き合ってないからないわね」
「だよねぇ……お金は……んー」
ないような気がする。あの会話の雰囲気からしてそんな銭がちゃりんちゃりんするような話はないと思う。
どちらかというと浮気に近いような気もしなくはないが……何せ分からない。